大人ってズルい
「お母様……えっと……」

むせてしまい、咳き込みながらイザベラは何か言わなくてはいけないと思い言葉を探す。だが、心が乱れているせいかいつものように話せない。

「あらあら、イザベラにもそんな相手ができたのね」

「ど、どういう意味ですか……」

どこか嬉しそうな顔をするダイアナに対し、イザベラは戸惑いながら首を傾げる。レオンのことを考えただけで心がおかしくなってしまうのは事実だ。だが、この気持ちが何かイザベラにはわかっていない。

「私は、わかりません。レオン先生は私が魔力をコントロールできるよう放課後授業をしてくれて、こんな私にも優しくしてくれて、私にとってお母様のように特別な人です。でも、この気持ちが何なのか……」

俯きがちになっていくイザベラの手を、ダイアナはそっと優しく包む。その温もりは、初めて抱き締められたあの日をイザベラの中に思い出させた。

「きっと、近いうちにその気持ちの答えは見つかるわ。それはあなたを成長させる素晴らしいものよ」
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