身代わり少女は主人を慕う
そんなはやてを、不幸にしようとしている私が、とてつもなく悪い人間に思えてきた。


夜中、一人で寝ていると、夢の中に将吾様が現れた。

『うた。迎えに来たよ。』

『将吾様!』

いつも、そこで目が覚めた。

「将吾様……」

気づくと、涙が頬を流れていた。


会いたい。

将吾様に、会いたい。

でも、会いに行く訳にはいかない。

将吾様は、あの久保利の家のご子息で、私みたいな貧しい農家の娘とは、一緒にいられないんだから。


そう思いながら、寝返りを打った。

明日も早く起きて、家の中の掃除と、畑仕事だ。

食べる物は、はやてが持って来てくれる。

今は、生きる為に、働くだけだ。

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