星降る夜の奇跡をあなたと

旅行へ行こう

旅行はレンタカーを借りて、隣県にある
リゾートホテルへ行った。もちろん、
蓮の運転だ。私は免許を持っていない。
蓮は大学受験が終わってすぐに、教習所へ
通って取ったらしい。
広大な自然に囲まれたその場所は、
電柱もなく視界を遮るものなど何もない、
とても贅沢な場所であった。
敷地内にはスポーツ施設が充実しており、
乗馬が出来る所もあった。
ゆっくり出来るようにと、
アーリーチェックインと
レイトチェックアウトにしておいてくれた
らしくお昼には部屋に入る事が出来た。
施設内のレストランで食事をし、
敷地内を手を繋いで散策した。
敷地内には小川が流れており、
その先はハートの形をした池に
繫がっていた。展望台もあり、
“夜になったらもう一度来よう”
そう約束した。
二人で乗馬をして、テニスもした。
蓮は、あまりの私のテニスの下手さに
大笑いしていた。私は運動が苦手なのだ。
正直、好きではない。それでも、
そんな事忘れてしまう程楽しかった。
夕食までの時間はあっという間だった。
お風呂に入ってから、私達は浴衣で
展望台へ行った。真っ暗な中に
空一面、星が輝いていて壮大であった。
私は、“星に手が届きそう”と
空に手を伸ばした。
蓮と来られた事が嬉しい。
蓮と居られて幸せ。
でも…泣けてきた。 
< 29 / 37 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop