星降る夜の奇跡をあなたと

友達からの誘い

始めは土地勘を得る為の
サイクリングだったが、
kanadeの曲を感じる事が出来るからと
日課になっていった。

3年生になっても私の生活は、
学校→家→サイクリング→One Tree
で大抵成り立っていた。そんな様子を
見ていた友人の真希と彩芽が

「せっかくの学生生活、もうちょっと
 楽しもうよ」

「えっ!?充分楽しんでるよ
 学校も真希と彩芽がいるから
 楽しいし」

「違う違う!恋愛よ」
 
「えっー!!」

恋愛に興味がない訳ではなかった。
ただ、縁が無かったと云うべきなのか。
学校は全て共学で、学校に行けば、
話をする異性は居たが、それが特別に
なることは無く、それは大学に入学して
からも同じだった。

「えっーじゃないから後期には
 実習も始まっちゃうし、あっという間に
 国試に卒業になっちゃうよ」

「そんな大げさな」

「いやいや、和奏はもっと現実を
 見なさい。kanadeはいいかも
 しれないけど、kanadeにばっかり
 時間費やしてたら和奏の可愛い時期は
 終わっちゃうよ。せっかくの夏だし。
 和奏は可愛いんだから。
 っということで和奏の為に
 合コンセッティングしたから」

はっ!?自慢じゃないが、合コンなんて
行ったことない。それに可愛くはない。
今まで、誰かと付き合った事もなければ
告白されたこともない。
でも結局ふたりに押し切られ合コンに
行く事になった。
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