眠りにつくまで






結婚した時、私は平日に休みを取り様々な名義変更をした。そしてその日、聖さんも休みを取っており銀行や携帯会社へ車で連れて行ってくれたと思うと、私の名義変更と同時に引き落とし口座を全て聖さんの口座へ変えてしまった。

「俺が世帯主でこの世帯にかかる全ての経費費用を支払うのは当然」
「…私も一応お給料もらってるからその口座へ入れる」
「入れないよ、光里の働いて稼いだ分は自由に使うんだよ?決して生活必需品じゃないものに」
「自分のもの?服とかってこと?」
「服や下着、バッグ、靴は生活必需品」
「…美容室、化粧品?」
「どちらも必需品」
「……本は?」
「生活が潤うための生活必需品」
「…映画…」
「デートだろ?俺」
「………アクセサリー?」
「俺が贈る」

そう言われているので、私は何が買えるのかと平日のショッピングモールを散策していたのだ。平日だがすでに学校が春休みなので結構人がいるなぁ…と思いながら少し買い物をしたところで彼からの電話があった。明るいうちに帰りますか…今日は何を作ろうかな?食材は十分あるけど、イチゴだけ買って帰ろう。
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