眠りにつくまで




お母さんのきな粉入りホットミルクだけ飲んで部屋へ戻ると時間を確認する。10時…聖さんは15時か…こちらは土曜日であちらは金曜日の仕事中だと思うのでメッセージを入れた。

‘お仕事が終わったら電話下さい’

すると30分ほどで彼から電話があった。

‘光里、おはよう’
「ふふっ…夕方でしょ?」
‘光里ファースト’
「うん」
‘どうした?’
「うん…聖さん」
‘ん’
「私…妊娠したかも…」
‘うん。そうかなぁとは思っていたけど…帰ってからまだ生理がなければ言おうと思っていたんだ。嬉しい。体調悪い?’
「…聖さんは気づいてたの?」
‘光里の周期は把握していたからそうかな?ってくらいだけど…まだ確信はなかった’
「微熱と眠い、ダルい…で、お母さんに言われたの」
‘そうか。病院の候補は調べてあるんだ。送るから見てくれる?こんなときに一緒にいられなくてごめん’

聖さんは常に私の数歩先を行く。産科の病院がすでに調べてあると…
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