眠りにつくまで






聖さんの調べてくれていた病院をお父さん、お母さん、お兄ちゃんとがあらゆる視点で吟味してくれた。こちらの夕方には電話の聖さんも含めもう一度皆で話をして病院を決めて月曜日にはお母さんが病院へ付き添ってくれることになった。

「戸田さんに来てもらわなくていい?」
「お母さんが良ければこのまま一緒にお願いします。確実なことがわかってから両親には伝えます」
「私は喜んで一緒に行くわよ」
「ありがとう」

月曜日の朝、お兄ちゃんに都内の病院へ送ってもらう。ここはマンションとオフィスの中間地点という立地とお母さんくらいの年齢の女医さんというのが皆のオススメポイントだった。すぐに妊娠は確認できて、次の検診と母子手帳についての案内をされる。本当に妊娠してた…とボーッとする私の隣でお母さんが全ての話を聞いてくれていたので助かった。

風邪でないとわかると気分は悪くない。オフィスへ行くことにして、何時でもいいと言われていたので聖さんへ電話をする。

‘光里、どうだった?’
「うん…赤ちゃんいたの…」
‘良かった、ありがとう光里。今どこ?’
「仕事に来た」
‘ん、そこで待ってて’

そう言い通話が切れたスマホを見つめると

「光里?」
「あっ…聖さんヘンなの…そこで待っててって切れたの…」

心配そうなお兄ちゃんに答える。

「光里ちゃん、そこは聖だから…忍さん、俺とランチ行きますよ」

玲央さんもヘンだ…お兄ちゃんの腕を引っ張ってオフィスを出て行く。
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