Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜
「どんな些細なきっかけでもそれが引き金となって、綺月ちゃんの首を突然絞めるかもしれない」


自分の存在価値を探し日々悶々と、生きるための理由を探していたあの日から随分と時が経った。

あの時の奈都が握ってくれた手は温かくて、カオルが言った言葉が私の気持ちを軽くしてくれた。

おかげで前みたいに死ぬべきでは無いのかと馬鹿なことは考えなくなった。

でもそれは決して傷が癒えたのではない。


「綺月ちゃんが前を見て歩き始めても、これから先大事な人を見つけても、生きていることに幸せを感じても、突然"それ"はやってくる」


分かってはいる。
だけど、気になってしまうの、母のことが。


「どうしても家に行って様子を見たいのなら、誰かと一緒に行くべきだよ」


幸人の言葉は妙に説得力があって重かった。

私はとりあえず自分の気持ちを整理する時間を作ることにした。

もう少し考えると言って私は溜まり場を出た。
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