Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜
私はカオルに手を差し伸べる。


「こっちに来て」


目を逸らさず、私は一歩一歩確実にカオルに近寄る。

菜穂達がその光景を息を呑んで見ている。


「カオルにそっちは似合わないよ、こっちに来て」


カオルの瞳が揺れたような気がした。

その瞬間、カオルは力を無くしたように胸ぐらを掴んでいた手を離し、気絶しかけていた男を地面に落とした。


「カオル、私はカオルから離れたりしない」


だからお願い。この手を握って。

カオルは私の手に吸い込まれるように、足を私のほうに向け、一歩前に進めた。

それと同時に、カオルは誰かから起爆スイッチの電源を落とされたように、スッとカオルの目から色が消え、それと同時に膝から崩れ落ちるように地面に倒れた。


「カオル!」


私は急いで駆け付け、菜穂達も慌ててカオルを囲むようにそばに駆け寄る。
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