Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜
「私は、一條綺月」
「…一條?」
「なに?」
「お前…」
男が私の名前を知った途端、眉間にシワを寄せ、なにかを考える素振りを見せる。
私はその顔が気になったけど、男の背後に見える後ろの立て掛けた仏壇の方が気になった。
その仏壇には、穏やかに笑っている彼らの両親と思われる写真が立て掛けられていた。
もしかして二人暮らしなのかなぁ……。
「おい、時間いいのか?」
立ち尽くしたまま動かなくなった私を見て男が声をかける。
「やばい!時間無い!
じゃあそろそろ行くね!看病してくれてありがとう、奈都」
「うん!」
「おい、そんなに急いでんなら送ってくぞ」
私はその言葉に足を止め男の顔を見る。
その言葉に甘えたいけども、バイクには乗りたくなかった。
それよりも、これ以上コイツに関わると引き返せなくなるような気がしていた。
「…大丈夫、じゃあ」
そう言って、私は2人の住む家を出た。
階段を降りると、駐車場には男の真っ黒なバイクがあった。
ふとお姉ちゃんの時のように、私のこともあの男が無理矢理にでもバイクで連れ去ってくれないだろうかと思った。
そんなことを一瞬でも考えてしまう私は、もうあの男のことが気になっていたのかもしれない。
名前も知らないのにおかしな話だ。
でももう、さすがに会うことは無いのだから思うだけならいいだろう。
そう思っていたのに……。
「…一條?」
「なに?」
「お前…」
男が私の名前を知った途端、眉間にシワを寄せ、なにかを考える素振りを見せる。
私はその顔が気になったけど、男の背後に見える後ろの立て掛けた仏壇の方が気になった。
その仏壇には、穏やかに笑っている彼らの両親と思われる写真が立て掛けられていた。
もしかして二人暮らしなのかなぁ……。
「おい、時間いいのか?」
立ち尽くしたまま動かなくなった私を見て男が声をかける。
「やばい!時間無い!
じゃあそろそろ行くね!看病してくれてありがとう、奈都」
「うん!」
「おい、そんなに急いでんなら送ってくぞ」
私はその言葉に足を止め男の顔を見る。
その言葉に甘えたいけども、バイクには乗りたくなかった。
それよりも、これ以上コイツに関わると引き返せなくなるような気がしていた。
「…大丈夫、じゃあ」
そう言って、私は2人の住む家を出た。
階段を降りると、駐車場には男の真っ黒なバイクがあった。
ふとお姉ちゃんの時のように、私のこともあの男が無理矢理にでもバイクで連れ去ってくれないだろうかと思った。
そんなことを一瞬でも考えてしまう私は、もうあの男のことが気になっていたのかもしれない。
名前も知らないのにおかしな話だ。
でももう、さすがに会うことは無いのだから思うだけならいいだろう。
そう思っていたのに……。