Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜
「…え?」


まさかそんなお願いをしてくるとは思わず、素っ頓狂な声が洩れる。


「いやいやいや、私は人に教えるのとかやった事ないし、そもそも高校受験なんて大事な試験に私なんかじゃ…」

「…やっぱり、駄目ですか?」


駄目っていうか、そんな大事な試験ならちゃんと塾に行くか、ちゃんとした家庭教師雇うほうが受かる確率は上がるだろうし、私なんかじゃ務まらない。


「お兄が本気で目指すなら塾に行ってもいいって昨日言ってくれたの」

「だったら…」

「でも私、お兄にはお金の事でこれ以上負担掛けたくないの!」


お金のこと…?

奈都の言葉を聞いて家で見た仏壇を思い出す。


「私達には親がいないんです。
だから私の学費とか生活費とかは全部お兄が働いて出してくれてて、もうこれ以上更に負担かけたくなくて」


奈都は涙を我慢するようにスカートをギュッと握る。
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