Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜
「学校が終わってから向かうから準備しといてね。時間は21時まで、それ以上は誤魔化せない」

「誤魔化せない?」


あっ。口が滑った。


「えっと、遅くなると母が心配するからね」


母にバレたら、絶対まずい。

勘づかれないようにしなくちゃ。


「本当にいいんですか?」

「むしろ、私でいいの?
私責任取らないよ。奈都が落ちても」

「私が決めたことだから、綺月ちゃんに責任なんか取らせません!」


奈都は安心したのか汗のかいたグラスを手に取り、オレンジジュースを一気に飲み干した。


「ところでさ、その……お兄は何歳なの?」

「私の5つ上なので19歳です」


まだ未成年なのに妹の学費に、生活費と全て1人で稼いでいるの?

その事実を知って、私は不良ってだけで男にいやな態度を取ったことを反省した。

その後、私たちは来週からという約束をつけて、カフェを出た。

奈都と別れて、私は塾に向かう足取りがいつもと少しだけ軽い気がした。

なぜかは自分でも分からなかった。

それでも、頭の中はクリアでいつもよりも勉強に集中できた。
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