Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜
カオルは少し口角を上げ笑うと、私を包み込むように抱き締める。


「な、なに?」

「一緒に寝る?」


耳元でカオルが囁く。

言葉の意味を理解した瞬間、一気に体温が上がっていく気がした。


「…悪い、冗談」


私はなんて答えたらいいか分からず黙り込むと、冗談だと流してカオルは私から離れる。


「皿洗うんだよな?邪魔して悪い」

「カオル」


背中を向けるカオルを私が呼び止める。

振り返って、首を傾げるカオルに言う。


「キスして」


キスをするのはいつだってカオルのほうで、付き合ってからは私からカオルにキスをしたことは無い。

ましてや、私から求めることもない。


「…どうかしたか?」


カオルが不審に思うのも無理はない。
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