Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜
私は奈都に伝えたいことを早口で捲し立て、丁度玄関で靴を履いているところであの男が帰ってきた。


「なんだ、帰んのか?」

「あっそうだ、お兄送って行ってよ」

「え?!いや大丈夫!大丈夫だから!」


この前のことでこの男と今2人っきりになるのは気まずい。

ブンブンと首を横に振るが、男は面白そうに笑って私の腕を掴んだ。


「すぐ戻ってくる」

「はいはーい!」


男は奈都にそう言い残すと、軽やかな足取りで家を出て階段を下りる。


「ちょっと!私1人で帰れるから!」


私の腕を掴んで離さないこの男は、私の声なんて聞こえていないのかズカズカとバイクの前まで歩いて行く。

そしてヘルメットを渡される。


「乗れ」


まるで命令するかのような言い方に少し頭にきた。
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