Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜
Again現総長の聡さんはカオルとカイの顔を交互に見ながら、大きい舌打ちをする。

カオルはあからさまに嫌そうな顔をし、カイは聡さんを連れてきた私たちを睨んでいる。


「お前ら外でケンカしたら今度こそ殺すって言ったよな?」

「総長が下っ端のケンカなんかに口挟むんすか?」

「ケンカぐらい好きにさせろよ」


聡さんの言葉に怯むことなく生意気な態度を取る下っ端は昔からカオルとカイしかいない。

一喜さんはその光景を楽しそうにニヤニヤしながら見ている。


「お前らがケンカしたらどっちか死ぬまで終わらねぇだろ」

「死ぬのはこいつだ」

「あ?黙れよ、そうやって調子乗ってる奴こそ寝首かかれて死ぬんだよ」

「じゃあやってみろよ、俺に一度だって勝ったことねぇくせに」

「あぁやってやるよ、ほら構えろよ」


聡さんの目の前でまたケンカを始めようとしている二人に私達はハラハラしていた。


「アイツら本当馬鹿なのか?」

「完全に馬鹿でしょ」


コソコソとせっきと二人でカオルとカイを馬鹿扱いする。
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