Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜
「どうにか出来ないものかな〜」
また別日に、私は行きつけのカフェでお茶しながら綺月のことをユキに相談していた。
今はストローでオレンジジュースをちびちび飲みながら、二人がどうにか話せるきっかけを探っている。
「そう簡単じゃないと思うよ。
なんせ二年も会ってなかったんでしょ?」
ユキはコーヒーを飲みながら、いつだって私の話し相手をしてくれる。
こんな風にたまに愚痴を吐いたり、勉強を見てもらったり、食事をしたりすることが私の密かな楽しみだった。
「ユキはさ、美月さんから詳しいこと聞いてる?」
「例えば?」
「家を出た理由とか、なんで今もこんなに疎遠になってるのかとか」