超絶イケメンな幼なじみに、めちゃくちゃ愛されちゃってます♡

「どう? 勉強は進んでる? 休憩に食べてね~」

 ニコッと笑ったお母さんに、飲み物とたくさんのお菓子がのったトレイを「はい」と差し出された。

 あ、お母さん。トレイを両手で持っていたから、ドアが開けられなかったんだ。

 それにしてもよかったよ~。

 王河に、ふわっとでも抱きしめられているところを、お母さんに見られなくて。

 しかもあの状態で、“王河のことが好き”とか告白しているのを見られたら、あたし、恥ずかしすぎて倒れちゃうよ。

 ホッと胸をなでおろしながら、お母さんからトレイを受け取る。

「乃愛がアイスティーで王河くんがアイスコーヒーね。そうそう。そのとってもおいしそうなフルーツゼリーは、王河くんが持ってきてくれたのよ~。ものすごく有名なお店のなのよね~」

 とあたしに向かって言ってから、お母さんは部屋の中の王河にお礼を言った。

「王河くんありがとう。私もあとでいただくわね」

「お口に合うとうれしいです。いつもお世話になっています」

 王河がお母さんに向かって頭を下げるのが見えた。


 こんなことをサラッと言えちゃう王河は、同じ高校1年生なのに、ものすごく大人に見える。

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