超絶イケメンな幼なじみに、めちゃくちゃ愛されちゃってます♡


 驚いて王河を見ると、王河は腕時計に視線を落としていた。

「え?本当に!? ひとつも授業を受けられないの? じゃあ、王河は、どうして今日学校に来たの?」

「そんなの決まってんだろ、大事な用事に」

 ちょっとぶっきらぼうに王河は言った。

 そのすぐあと、

 ――キーンコーンカーン……。

 もう一度チャイムが鳴った。

 うっ、どうしよう。

 1年A組では担任の先生が教室に入ってきて、今頃HRが始まっているはず。

 それなのに、あたしと王河はこんなところで2人きり。

 どうしよう。あたし、初めてサボってしまった。

 そう思ったら、胸のドキドキが止まらなくなった。

 王河とこんなところで2人きりでいるドキドキと、初めてサボってしまったことに対するドキドキ。

 そのふたつで、心臓がバクバクしすぎて痛いくらい。

 夏帆やなっちゃんや紗良ちゃんは、王河もあたしもいないのはどうしてだろう?先に教室に向かったのにって、不思議に思っているはず。

 それに、校門の近くであたし達が話しているところを見たクラスメートは、“さっき学校には来てたのに、教室には藤城くんがいないのはどうして!?”って騒いじゃうだろうし。
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