超絶イケメンな幼なじみに、めちゃくちゃ愛されちゃってます♡


 そういえば乃愛ちゃんもいないから、2人は一緒なんじゃない?って思われて、みんなにいろいろ噂をされそう。

 どうしよう。

 制服の胸のあたりをギュッとつかむ。

 それほどまでにビクビクしているあたしを見て、王河はフッと柔らかく軽く笑って、それから一瞬、腕時計に目を走らせた。

 そしてあたしの手を引っ張り、廊下側にある窓の下に座ろうとした。

 でもすぐにその手を離して、王河は床にハンカチを敷いてくれた。

「乃愛のスカートが汚れるといけないから、ここに座って」

「あ、ありがとう」

「でもこの場所は……ちょっと失敗したかも」

「え?」

「エアコンがきいてる教室とかと違って暑いから。まぁ、空き教室だから仕方ないけど」

 壁に寄りかかった王河が、腕時計を見ながらネクタイをキュキュッと緩めた。

「乃愛は?暑くない?大丈夫?」

「うん、大丈夫」

 あたしはわりと暑さに強いから大丈夫だけど、暑いのが苦手な王河は大丈夫かな?

 手をうちわ代わりにして、王河に向かってパタパタ扇ぐ。
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