超絶イケメンな幼なじみに、めちゃくちゃ愛されちゃってます♡
俺の言った“連れ”を、“男の友達”だと思ったらしい女の子は、はしゃいだ甲高い声を出した。
「さっきから、ものすご~くカッコいい人がいる~と思って、見てたんですよ~」
「……あー、それは、どーも」
よかった、俺が藤城王河だと気付かれたわけじゃないんだ。
へー、夏帆の言った通り、サングラスと帽子は使えるな。
バレてもいいと思っていたけど、バレないほうが面倒くさくない。
「やぁだぁ。なんか、そのそっけない感じもカッコいい――っ!!」
黄色い声が、俺を包む。
……あ、やべ。話、終わってなかったっけ。
こういうのは、さっさと断わるに限るんだよな。
「悪いけど。俺が待ってるの、彼女なんで」
口早に告げる。
「えー。ざんねーん」
落ち込む浴衣グループ。
「ごめんね」
そう口にしてから、顔をあげて、目で乃愛を探す。