超絶イケメンな幼なじみに、めちゃくちゃ愛されちゃってます♡
と、今俺の前でガックリと肩を落としている浴衣グループの女子のほかに、そわそわしながら俺を見ているたくさんの女の子グループの姿を見つけた。
マジか、みんな俺に声をかけるつもり?
「…………」
そう、だよな。
チラッチラと俺のことを見ているし、こういう空気、小さい頃から何度も経験してきた。
とはいえ、これ全員に断わるの、すげー大変。
つか、今日ぐらいは、藤城王河だってバレたくないんだけど。
でもだからといって、この場を離れるわけにもいかないし。
んー、困った。
乃愛、早く来ないかな。
でも、こんなに早く来ないよな。
どうしようかな。
躊躇している間に、女子大生っぽい女の子グループから声をかけられた。
「あのぉ。すみませ~ん。これから、あたし達とぉ……、花火を見にいきませんかぁ?」
「あー、ごめんなさい。せっかくだけど、俺、彼女を待ってるんで」
本当は大きい声で答えたいけど、声でバレたくないから、ついつい小さい声になってしまう。