超絶イケメンな幼なじみに、めちゃくちゃ愛されちゃってます♡


 花火会場に向かう人の群れに夕焼けが落ちている。

 俺たちも同じく夕焼けの中、花火の会場までの道のりを並んで歩く。

 浴衣を着て、ゲタをはいている乃愛の歩幅に合わせて、いつもよりもゆっくりと歩く。

 乃愛はピンク色のイメージだけど、今日の浴衣は紺色で帯は赤。

 絞りなのかな? それがまた清楚な感じで、乃愛によく似合っている。

「乃愛、その浴衣見たことないけど、すっごくかわいいね。よく似合ってる」

 なにを着ても似合う色白の乃愛にみとれながら、褒め言葉を口にする。

「ありがとう……」

 乃愛はうれしそうにはにかんだ。

「髪の毛は自分でやったの? アレンジがすごくかわいい」

 キレイにアップにした髪を崩さないように、ほんの少し、ちょんちょんと指でつつく。

「あ、これは、お母さんが……」

「そっか、かわいいな。ものすごく似合ってる」

「あ、ありがとう」

 乃愛がそう言ったあと、しばらく沈黙が続いた。
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