超絶イケメンな幼なじみに、めちゃくちゃ愛されちゃってます♡


「だからウチで。一緒に着付けをしようって言ったのに」

「あー、乃愛のお母さん、着付けが出来るもんな」

「うん。それに夏帆、浴衣じゃなくても、洋服でもべつにいいじゃん。なにも来ることまで面倒くさくならないでもいいのにねっ」

「うーん」

 許せ、夏帆。

 これに関しては、完全に俺が悪い。

 心の中で、夏帆にわびる。

「ったく、しょうがないなぁ、もぉ!!」

 プンプンと。子供のようにふくれて、それから乃愛は唇を尖らせた。

「仕方がないから。今日は王河と一緒に花火を見に行ってあげる」

「はははっ。いつになく強気だな、乃愛」

 乃愛の口調がかわいすぎて、クスクス笑う。

「うつったの!ふたりの性格が!!」

 顔をしかめて、手をぶんぶん振り回す。

 そんなところも、すごくかわいい。

「じゃー、そろそろ行こうか」

「うん」

 乃愛の手首をそっとつかんでから、スライドさせて手をつなぐ。

 手をつないだとたん、乃愛は急におとなしくなった。
< 253 / 298 >

この作品をシェア

pagetop