超絶イケメンな幼なじみに、めちゃくちゃ愛されちゃってます♡


『えっと、昨日は……夏帆と一緒にお茶をしたよ』

 問題を解くのをやめて、シャープペンシルを持った手をあごにあてて、考えるように乃愛は言った。

 夏帆っていうのは、同じクラスの、野々原……いや、野々村だっけ? 乃愛の友達。

 はっきりと物を言うタイプの背の高い美人。

 だから話しかけてみたいけど、近寄りがたいと入学当時にクラスの男子が噂をしていた。

 野々村の近寄りがたさは、同じく女子も感じているみたいだけど、乃愛は別で、めちゃくちゃ仲がいいらしい。

 それなのに、俺は野々村によく絡まれる。

 俺は乃愛の幼なじみだから、乃愛と同じように仲良くしたっていいはずなのに、なぜかケンカ腰で威嚇してくる。

 なぜだろう?

 野々村の態度を不思議に思いながら、

『そっか、ふたりで?』

 と、乃愛に聞いた。

 というのは、乃愛には野々村の他にも仲のいい女子が2人いて、放課後に4人で寄り道をした話なんかを、俺は乃愛からよく聞いていたから。

 他の2人は昨日はたまたま用事でもあったのかな、と思っていると、乃愛は首を横に振った。

『ううん、違うよ。クラスメートの清水くんとD組の森くんも一緒だよ』

『……はっ!?』

 清水“くん”と森“くん”!?

 なんだそれ、思いっきり男じゃん!

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