超絶イケメンな幼なじみに、めちゃくちゃ愛されちゃってます♡


 突然のことに動揺して、頬を指で触りながら、夏帆から視線を外してきょときょとっと動かした。

「好きなんでしょ? そんなの見てればわかるし、隠さなくても大丈夫だよ」

「……えっ?」

「それに藤城だって、どう見ても乃愛のことが好きなんだし。もう告白すればいいと思う」

「……っ」

「それに藤城と付き合えば、告白のときに彼氏がいるって言えるし。乃愛に彼氏がいるって噂が広がれば、乃愛の負担も減るし、泣く男子も減るし、一石二鳥じゃない? ほら、告白を断るのだって、けっこうエネルギーがいるんだしさ」

「……ねぇ、夏帆」

「ん?」

「ありがとうって言われたら、やっぱり……ちょっと期待しちゃうんだね。あたし、今まで悪いことをしてたのかな」

「え?」

「でもまずは……。やっぱり礼儀としてお礼は言うよね、告白されたら」

「ん? なんの話? どうしたの乃愛?」

 首を横に傾けて、訝しげな表情で夏帆があたしに聞いたとき、

「おはよ~乃愛ちゃん、夏帆もお待たせ~」

 と、手を振りながら、なっちゃんと紗良ちゃんがやってきた。

 なっちゃんのフルネームは羽川七海ちゃんで、紗良ちゃんのフルネームは吉川紗良ちゃん。

 ふたりとも同じクラスのかなり仲がいいお友達。
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