超絶イケメンな幼なじみに、めちゃくちゃ愛されちゃってます♡


 あわあわ焦って、夏帆からスマホを取り上げようとした。

 もちろん、夏帆がこれ以上、王河に変なことを言わないように。

 でも、できなかった。

 とろいあたしの出した手なんか、夏帆はひょいっとかわしてしまったから。

『好きなんでしょ? 付き合いたいんでしょ? それとも、もう、彼女だと思ってんの!?』

 きゃぁぁぁああ! やめて夏帆。

 公衆の面前で爆弾を落としすぎ!

 名前を言っていないから、バレたりはしないと思うけど。

 それでも王河にそんなことを聞くなんて、あたし、めちゃくちゃ恥ずかしいよ。

 ほら行きかう人も、大声すぎて、みんな夏帆のことを見てるよぉ。

「夏帆っ……やめてよぉ……」

 それに、王河があたしのことを好きとか付き合いたいとか、そんな風に思っているわけないんだよ。

 相手は、あの王河だよ!?

 超絶イケメンモデル様だよ?

 キスされて舞い上がって、ついつい、告白をしちゃったあたしがバカだったんだよぉぉぉおお!

 夏帆の制服の半袖部分をぎゅーぎゅー引っ張る。

 でも夏帆は、スマホを持っていない右手で、まるではえでも追い払うように手を振るばかり。


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