【完】総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅰ
『何か、前も天音くんのこと探してなかった?』
天音くんと保健室にいたあの時とか…
と、この内容を言いそうになった直前に、あの場にいたことバラしたら一緒に隠れてた私も怒られるのではという考えがよぎったので細かいことは何も言わなかった。
「そうだな、生徒会の仕事あいつ基本サボるから、お陰で全部俺のところに仕事が回ってきててそろそろいい加減にしてほしい」
な、何か…今までのつもりに積もった恨みを感じる…
『ま、まぁ…もし私とかでもできるようなことあったらいつでも言ってね、お手伝いするから』
いつも叶兎くんやみんなにはお世話になってるし、予算の集計や雑用くらいなら、いつでも喜んで手伝う。
……そう申し出た瞬間、桐葉くんは数秒間ほど無言で考え込むと。
「うん」と頷いて無言で私の右腕に生徒会の腕章を通し始めた。
桐葉くんが今身につけている物と同じ、“生徒会”と書かれた水色の腕章。
『これは…???』
「手伝ってくれるんだろ?」
『お、お手伝いはするけど!雑用とかって意味だから!』
「生徒会の書類扱うならこれつけてないとダメだから」
『えぇぇ……』
淡々とした圧に押し切られ、私は渋々それを受け入れた。