【完】総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅰ
もっと俺を頼ってよ
翌日、
今日は文化祭準備2日目。
どのクラスも着々と準備を進めていて、校内はカラフルな装飾や準備物でごった返していた。
笑い声や工具の音があちこちから聞こえてきて、自然と胸が高鳴る。
うちのクラスはコスプレカフェになったけど装飾にもかなり力を入れていて、教室の半分は可愛いふわふわな空間で、もう半分はダークな空間にするらしい。
「ねー胡桃〜、赤羽くんとは最近どうなのよ!」
「わ、それ気になる〜!」
一人で黙々と壁の装飾を取り付けていた私に、横から心音ちゃんと瑠奈ちゃんがいきなりそんな言葉を投げかけてきた。
直球すぎる質問に思わず肩が跳ね、手に持っていた可愛いペーパーフラワーを落としそうになって慌てて掴み直す。
『ど、どうって…!?』
これまで彼氏なんていたこともなかったし、転校してくる前は友達も少なかったから、恋バナなんて甘酸っぱいイベントは人生で一度も経験したことがない。
自分の恋愛事情を友達に話すなんて、恥ずかしすぎて頭がどうにかなりそう。
世の中の女子高校生って、日常的にこんな刺激的な話をしているのだろうか……!?
「んーじゃあ、普段の赤羽くんってめちゃくちゃ塩だけど、胡桃の前だとどんな感じなの?」
私の前だと…?
あんまり考えた事無かったけど、確かに他クラスの女子生徒や周囲に対する叶兎くんは、どこか線を引いているというか、女嫌いで有名なほど塩対応だ。
でも、私には優しくしてくれてるし、むしろ……。
頭の中に、昨日の甘い彼の姿が鮮明にフラッシュバックする。
「胡桃顔真っ赤ー!」
「いいねぇ青春だねぇー」
気づけば顔が赤くなっていて、二人がからかうように絡んでくる。
うぅ…恋バナって聞く方は楽しそうだけどする方めちゃくちゃ恥ずいじゃん…!!
『も、もーこの話やめようよ〜!』
恋バナ耐性がゼロの私は必死に話題をそらそうと、逃げるように壁の装飾の続きに取りかかった。
必死に手を動かすことで、少しでもこの顔の熱さをごまかそうと汗をかく。