総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅰ



「…ま、906号室はお前の部屋らしいし。好きにすれば。」



そう言ってくれたけど、顔が全然納得してない。

“なんで一緒に住まなきゃいけないの?”っていう顔してるよ。



「あと、必要以上に俺に関わるな」



吐き捨てるように言い残して、自室に引っ込んでしまった。


バタンと扉の音が響き、ロビーに重たい空気が残る。



…………そんなこと言われなくても、関わりたくないです。





『はぁ…何か面倒臭いことになっちゃったなぁ…』




そう小さく呟いて、ひとまず自分の部屋に足を踏み入れた。



私に割り当てられた部屋は思ったよりシンプルで落ち着いた内装だ。

ソファーと机がひとつ、奥にベッドと背の高い本棚がひとつ。

必要最低限の家具しかないけど逆にすっきりしていて過ごしやすそうでもある。



ベッドの縁に腰をかけて、ふう、と一息つく。


そんな時、携帯の通知音が鳴った。

画面を覗き込むと送信主はお父さん。



開いてみると…


“言い忘れてたけど寮は生徒会のみんなとルームシェアね!変更は無理だから!じゃ頑張ってねー”


と端的なメッセージが来ていた。



『お、お父さん……』



“頑張ってねー”

じゃないよ!!?聞いてないんだけど!?

そういうのは先に言って欲しい。知ってたら絶対に拒否してた。


ただでさえ寮生活自体に抵抗があるのに、男子とルームシェアなんて…。

いくら個室があるとはいえ、高校生にこの生活はどうかと思う。



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