【完】総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅰ
首筋を触られた感触で、ハッとさっきの保健室での出来事が頭をよぎる。
『……あっ、もしかしてさっき天音くんに──』
傷が見えたのかな?
やっぱり血、吸われてたんだ。
「“天 音 く ん”???」
彼の名前を出したとたん、赤羽くんの眉間が深く寄る。
『な、なんでそんなに怒ってるの…?』
怒気を含んだ彼の雰囲気に圧倒されて縮こまると、不機嫌オーラ全開になった赤羽くんは、乱暴に自分の頭を抱えてそっぽを向いた。
「…アイツにキスマークつけられるとか、警戒心薄すぎない?」
『えっ?!キ、え!?』
赤羽くんのその指摘に、頬が一気に熱を持つ。
だからあの時“今回はこれで見逃してあげる”って…
「あー、ホント油断も隙もない。…決めた、やっぱお前、俺のものになってよ」
いや、どうしてそうなった…!?
『…嫌、ですけど』
「拒否権ないから」