キミの愛情120%


――『“説明する”って言ってくれてるんなら、聞いてあげたら?」


うん。そうだね、たぶんそれがいちばん正解なんだろうね。


――『腰を据えて話しあれば、案外“こんな簡単なことだったんだ”ってなるもんだよ』


わかるよ。こんなに悩んでるのが馬鹿みたいに、実はすごくシンプルなことなのかもね。


――『諒は、人を好きになれないわけじゃなかったんだね。必要だったのは、“好きになってほしい”って思える相手だったんだ』


うん、そうなのかも。すごく納得したよ。でもさ、サオリさん。



リナは、リナは、普通の、ほんとにふっつーの女の子だからさ。



好きなひとには好きって言われたいし、それを実感したいし、できれば独り占めしたいし、他の子より自分を見てほしい。

それを叶えるためなら、正解の道がどれか頭ではわかってても、不正解な道だってためらわず選ぶよ。

いくらわかりやすい理屈を並べられたって、なんにも安心できないし、満足しないから。


リナは、恋愛上手なふりしてるだけの……ただの普通の、女の子だから。



< 232 / 274 >

この作品をシェア

pagetop