キミの愛情120%


「ねえ、ここ見てもいーい?」

「うん」


さりげなく腕を引いてボディタッチしながら、店の中へ入る。


「あ、このスカート可愛い〜」

適当に店内を歩いて目についた2着を手に取って、長谷部くんに見せた。


「どっちがいいかなー?」


上品なデザインのマーメイドスカートと、黒いフェイクレザーのミニスカート。

「……んー」

長谷部くんはふたつを見比べると、困ったようにへらっと笑った。


「岸本さんなら、どっちも似合うと思うよ」

「………そ、うかなぁ〜〜?えへへ、嬉しー」


……うーん。そっかそっか。

これは選べなかったかあ。わかるよ、リナもどっちも可愛くて選べないこといっぱいあるから!


「あ、じゃあこれはー?」


その後も何度か長谷部くんの意見を聞いてみたけど、答えはぜんぶ「どっちもいいと思うよ」とか「岸本さんなら何着ても可愛いよ」とかだった。


< 38 / 274 >

この作品をシェア

pagetop