溺れる遺伝子
DV

暗雲

目をあけると、白いだけの天井が見えた。

横を向くと見慣れないベッドに寝かされている。
ここはきっと病院なのだろう。


「…かちゃん?」

お腹に手をやると、やたらと分厚いものでぐるぐる巻かれている。


「あかちゃん…無事なの?」


急に起き上がる。
すると一瞬、目の前が暗くなった。

「…いたっ!!」

すこし傷む頭。なんだか貧血のようだ…。




「ヒナ…。」


「…お母さん……」

「……。」

「お母さん、あの…」

「ヒナ、あのね。」


ヒナの言葉を母が遮った。

何を言われるのだろう。怒られるのかな。当たり前だよね。妊娠した娘が急に運ばれてこんな……
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