溺れる遺伝子
「ヒナ、ちょっとまってて」

部屋から出て行くツバサ。

あらためてツバサの部屋をみわたしてみると、かつて漫画が並べてあった場所に新しい参考書がぎっちり詰まっていた。

ヒナだって今年は受験生。

…だけど嘘でも初詣のお願いはツバサのしあわせだと言うつもりだったのに……。


ベッドを見た。

こっちは相変わらず漫画だらけだ。参考書より読み古している感じがする。

…一度別れようとは思ったけど、やっぱりツバサのものには興味がある。

枕の近くにあった漫画を開いてみた。


……。


それは、いつかツバサの部屋で見た衝撃的なもの以上の漫画だった。
< 155 / 250 >

この作品をシェア

pagetop