溺れる遺伝子
サンタの服は、まるでウエットスーツのようだった。
子供用…?明らかにキツすぎる。

細身のヒナでさえこれだ。おかしい。


ブルマとあまり丈のかわらないスカート。

唯一ゆったりしているのは帽子ぐらいだろうか。


「ヒナ…目、閉じて。」

ぎゅっと目をつぶる。
もう怖いとか言っていられない。

一刻も早くこの時間を終わらせることが先決だ。


「……!?…なに!?」

…目隠しだ。
あわててとろうとするヒナの腕をツバサがはたいた。


「おまえ!!黙っておれの言うとおりにしろ!!」


ツバサが怖い…。
肌色の芋虫になった記憶がよみがえる…。



…もう…

…さからえない……。
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