溺れる遺伝子

温もりの代償

ピンポーン


「ツバサ、いる?」

ガチャッ


出てきたツバサの顔は青かった。
しかしヒナの顔をみて急に表情が緩んだ。


「よかったっ…俺、もうヒナには会えないのかと…」

「あ、あの、昨日はごめんなさい。突然帰ったりなんかして」


「…あがってく?」


月曜日の夕方。
ツバサの家には誰もいなかった。

ツバサの部屋は漫画や雑誌がちらばっている。

ちらっとそれをみると表紙に卑猥な絵が書いてあった。


「あ、あんま見ないほうが…」


気付くとヒナはぼーっとその表紙を見つめていたのだった。
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