幸せのかたち
しばらく眠っていた。
起きたら隣には茉美じゃなくて、
茉美曰く「遅刻常習犯」の
上野くんが居た。
「…おぉ、目ぇ覚めた?」
「君…確か遅刻してきた
…上野くん、だっけ?」
「雅樹でええよ。
…俺、なんや謝らな
あかんねやろ?」
「…や、別にいいよ?
君だけのせいって
訳じゃないし…。」
そうなのだ。
薬を忘れた俺にも非がある。
「いや、謝るわ。
堪忍な。」
「いいよ…もう。」
「おおきに。」
雅樹はにっと笑った。


「俺、ホンマは保健委員やねん。
やのに、近藤さんに
任せっきりやし。
ホンマにすまんて思うとる。
何か困ったことあったら言うてや。
…ちゅーか、友達ならへん?」
「いきなりだな…。」
「まぁ、細かい事は
気にせんといてや。」
「…変な奴。」
「で、なるの?ならへんの?」
「…勝手にしろよ。」
「OK、勝手にするわ。
よろしゅうな、真生。
あ、高末くんの方がええ?」
「…どっちでも好きな方で呼べば。」
「ほな、真生でええわ。」
「はいはい。」
俺は最初邪険にしていたけれど、
この学校で初めての男の友達だ。
ある意味貴重なので仲良くして
あげることにした。
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