貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
 室内へ足を踏み入れたのはゲルハルトだった。

「結局、別れたのか」

 ゲルハルトの言い方はずいぶんと素っ気なく冷たい。

「ご無沙汰しております。ゲルハルト様」

「おや、陛下のお知り合いでしたか」

 エセルはあまり驚いた様子を見せなかった。

 先ほど、謁見の場でナディアを見たゲルハルトが、ほかの人間に向けるものとは違う反応を示したからである。

「向こうへ行った際に顔を合わせただけだ。知り合いというほどのものではない」

「あの時は本当に申し訳ございませんでした。親切にしていただいたのにとんだ無礼を」

「親切?」

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