貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
(嫌いだってはっきり言ってくれるなら、私だって避けやすいし。エセルみたいに本心が見えないほうが扱いが難しいもの)

 ナディアはメイド仲間たちから渡された掃除用具を取り出し、袖をまくり上げた。

「生まれて初めてのお掃除よ。ピカピカにしてみせるんだから!」



 ナディアがメイドとして働き始めてからあっという間に十日が過ぎた。

 ほかの貴族令嬢ならば掃除と聞いただけで嫌悪するだろうが、ナディアはまったく抵抗がなかった。それどころか毎日朝から晩まで楽しんで仕事を行う。

 王妃よりもメイドのほうが向いていると言ったら、リシャール夫妻は驚くだろう。

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