貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
「具合が悪いのか? それともただ眠っていないだけか?」

 ゲルハルトの声はかすれてざらついている。

 以前話した時に聞いた深みのある声でないことを、ナディアはつらく思っていた。

「心配してくれるの? ありがとう」

「勘違いするな」

 素っ気なく冷たい言い方ではあったが、以前ほどナディアを拒む響きはない。

 ナディアが下心なく献身的に接していると、ゲルハルトが感じ取っているからである。

「同じ病にかかったのではないだろうな」

 ゲルハルトはベッドから身を起こすと、脇に座るナディアへ手を伸ばした。

 汗を拭うためのタオルを用意していたナディアは、突然の行動に反応できず硬直する。
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