貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
「俺は最初からわかっていたがな」

 ゲルハルトも彼にしてはぎこちなくナディアの髪に触れた。

 獣人の中に彼女のようなピンクゴールドの髪を持つ者はいない。人間にも多いほうではないが、まずその色合いからしてゲルハルトには物珍しく映った。

 手触りは極上で、もし金色の絹織物があればこんな触り心地だろうと思わせる。

 ナディアに耳を触られるのはどちらかというと不快感のほうが強い。

 他者に触れさせる場所ではないのもあるが、彼女の触り方があまりにも優しくて胸の奥がざわざわした。

 本能は人間にこれ以上触れさせるなと叫んでいるのに、ゲルハルト自身はもっと触れられたい衝動を覚えている。

< 286 / 498 >

この作品をシェア

pagetop