貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
 ふたりが案内された部屋は狭く、間違っても一国の王を迎える場所ではなかった。

 国の残ったエセルが山のように持たせた荷物を、メイドたちがせっせと運び込む。

「こんなに日当たりが悪い部屋、エスタレイクにはありませんよ。物置じゃないですか」

「ちょっと聞いてきたんですが、ほかの招待客には使用人の部屋をちゃんと用意してるそうです。私たちには街の宿に泊まるよう言ったくせに!」

 メイドたちは遠慮なく文句を言った。

 ナディアもそれに同意しながら、招待状が届いた時と今とを考えて微笑む。

(代わりに怒ってくれる人がいるっていうのはいいものね)

 フアールはどこまでも礼儀を守らなかった。

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