貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
 城の獣人の中でも特に長く夫婦としてやっているふたりの間に、ほのぼのとした空気が流れる。

 邪魔をしないほうがいいだろうと判断したゲルハルトはすぐにその場を立ち去った。

 どこへ行っても似たような返答ばかりで、最終的に足を運んだのはナディアのもとだった。

「みんながフアールの人を招く時に婚約発表をしたらって。なんだかやたら急かされてる気がするわ。明日にでも結婚式をする勢いよ」

「そうするのもよさそうだな」

 ゲルハルトが微笑してナディアの髪に口づけた。

 こうした触れ合いもずいぶんと増えている。

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