貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
 最初こそ毎回硬直していたナディアも、最近はだいぶ慣れて受け入れられるようになっていた。

「明日結婚式なんて言ったら大騒ぎよ。準備だってあるのに」

「どんなドレスがいいか考えておいてくれ。また職人を呼んだほうがいいか?」

「だから気が早いってば」

 手を伸ばした先にゲルハルトの尾があった。

 他人に触れられたくないものだと言っていたが、ナディアには触らせる。

 といっても平気な顔をしているわけではなく、気まずさと照れの入り混じった表情をしていた。

「隙あらば尾をなで回すな。そんなに好きなのか」

「ふわふわして気持ちいいじゃない? あなたが私をなで回すのと同じよ」

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