貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
 本心はまったく真逆だったが、ふたりを心配させたくないという思いから涙は堪える。

(ジャンに殺されるか追放されるかのどちらかしかないなら、追放のほうがいい。少なくとも死ぬわけじゃないんだもの)

 自分に言い聞かせるも、胸が張り裂けそうだった。

(二度目も失敗ってことじゃない! 今までなにやってたのよ!)

 一度目は灰の塔で獄死し、二度目は蛮族の地へ追放される。

 神がいるのかはわからないが、三度目の人生を与えてくれるだけ優しい存在なのかどうか。

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