貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
 彼女はこれからシャピュイ家の娘ではなく、フアール王家の一員だと名乗るのだ。

「君との婚約は正式に破棄させてもらう。だが、これから俺のそばにはコリンヌがいてくれるからな。なにも心配しなくていい」

 あきれて言葉も出ないとはこのことだが、ナディアは反論せずに聞いていた。

 奪われたもうひとつの人生でも彼はこうだった。やり直したからといって変わるわけではない。

「ジャンの言う通り、私がナディア様の代わりになります。近日中にちゃんと皆さんへ発表もするんですよ」

< 90 / 498 >

この作品をシェア

pagetop