政略夫婦は念願の初夜に愛を確かめる〜極上御曹司の秘めた独占欲〜


「今日はどこか調子の悪いところはないか?」

「はい。今日は調子がいいかと」


 ちょうどホテルステイ期間中、私は原因不明の体調不良に悩まされた。

 目眩と微熱が続き、急激に食欲が落ちた。気持ち悪く食べられない日が続くと、拓人さんが心配をして主治医に検査の依頼をした。

 今日はその検査結果を聞きに拓人さんと病院に向かっている。


「そうか。何も異常がなければいいが……」


 ハンドルを握る拓人さんの横顔はどこか心配の色を滲ませている。

 私が体調不良を訴えてから、拓人さんは常に私の体を気にかけてくれている。

 主治医に即検査の相談をし、環境や食事なども私の体を気遣って配慮してくれた。

 きっと、いろいろなことが重なり精神的に参ったのだろう。

 きっと一時的なものだと勝手に思っているのだけど……。

 病院に到着し、拓人さんはすぐに助手席までまわり私を降ろしてくれる。

 手を取るとしっかりと握りしめた。

 繋いだ手から拓人さんの不安な気持ちがなんとなく伝わってくる。

 私はきっと大丈夫です。その気持ちを込めて手を握り返した。

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