政略夫婦は念願の初夜に愛を確かめる〜極上御曹司の秘めた独占欲〜
エグゼクティブフロア専用のプールは、楕円を繋げたような不規則な形をした大きなプールが水を湛えていた。
南国を思わせるデザインで緑も多く、まさに都会のオアシスと言える空間。
プール周囲にはゆったり過ごせるソファー席なども用意されている。大きなガラス窓からは向こうに夜景も望めた。
私たち以外に人の姿はなく、しんと静寂に包まれている。
「ホテル内にこんな場所があるなんて、なんかすごいです。今はお客様もちょうどいませんね」
「今晩は貸し切りにしたんだ。だから、誰も入ってこない」
「そうなんですか?」
プールサイドの席に料理とドリンクを運んだスタッフが「失礼いたします」と立ち去っていくと、広いプールは本当にふたりきりの静かな空間となる。
「茉莉花が泳ぎたければ、すぐに水着も用意させるぞ?」
「えっ、いえ、私は、泳げないので……」
遠慮する私を拓人さんはフッと笑う。
冷やされているワインボトルを手に取り、用意されたふたつのグラスに注いでいった。
「泳げないのは初耳だな」
しゅわしゅわと細かく発砲するスパークリングワインが入ったグラスを私へ差し出し、拓人さんが「乾杯」とグラスを上げる。
「乾杯」
軽くグラスを重ねるとカチンと綺麗な音が響いた。