政略夫婦は念願の初夜に愛を確かめる〜極上御曹司の秘めた独占欲〜
「RENJYOグループと提携することになったら、ぜひ取材させてと言われてるの。仲良くしている雑誌編集者に。拓人とセットでお願いしたいって」
「そうか。いい宣伝効果になればいいが」
メディアにも積極的に顔を出している早苗は、広報活動にも広く力を注いでいる。
今回の業務提携も話題になることは間違いない。
「じゃあ、お互いに今回話したことを持ち帰って、改めて契約締結する方向で」
「わかったわ」
タブレット端末とスマートフォンをバッグにしまいながら、早苗は「ねえ」と俺に目を遣る。
「何かいいことでもあった?」
ビジネスの話がまとまったところで、早苗がプライベートなトーンで訊く。
前回沖縄で会ったときは、まだ茉莉花との関係に悩んでいたときだ。
しかし振り返ってみれば、早苗たち三栗谷夫妻と関わってから俺たち夫婦の関係が一気に動いていった気もする。
いい刺激を受けた、とでも言うのだろうか。夫婦の絆がより一層強くなった。