インビジブル・ブルー

再び僕は目を開いた。

そして、あの日の彼女との記憶を遡るうちに、僕はある一つの仮定にたどり着いた。

最初は漠然としたものだった。

もしかしたら……と言う程度の思いつきに過ぎなかった。

でも、一つずつ、昨日からの少女の言動や少女の容姿を思い描くうちに、いつしかそれは仮定ではなくなり、揺るぎない確信へと変わっていった。

僕はカンバスを放り投げた。

「戻らないと……」

と譫言のように呟いた。

よろける足で立ち上がる。

ザワリと枯葉を掴み、ぼやける視界を振り払った。

早く戻らなければ。

一刻も早く。

そんな衝動が、僕の背中を激しく突き動かしていた。